バーミンガム大学におけるソーシャル・スタディの導入過程とその実態を成人教育史のなかに位置づけ,明らかにすることを試みた。 バーミンガム大学は,ソーシャル・スタディ・コースを,成人教育団体である労働者教育協会の初期の活動を支援する過程で実施した。大学人たちは,市民の問題とどのように向き合っていくのかを模索する中でその方途の一つとして労働者成人教育を支援し,社会の問題を探求するコースの実施という取り組みを開始した。その後大学はコースを改変し,ウッドブルックと連携してソーシャル・ワーク・ディプロマ・コースを実施した。講義だけでなく実習を取り入れたコースから福祉にかかわる職に従事するワーカーを輩出した。
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