研究課題/領域番号 |
26780475
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉田 真衣 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50532321)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ジェンダー / セクシュアリティ / 女性性 / 若者 / 移行 |
研究実績の概要 |
本年度は、東京都立大学/首都大学東京「高卒者の進路動向に関する調査」グループが2002年から2008年にかけて実施した、2003年春に高校を卒業した若者を対象とした追跡調査の対象者のうち、高卒者の女性4名を研究代表者が単独でさらに追跡して2012年~2013年(高卒10年目)に実施したインタビュー調査のデータの分析を進めた。 くわえて、2015年(高卒12年目)にも同じ4名を対象にインタビュー調査を実施し、30歳になった彼女たちの労働と生活の状況やそれらにおける意識について聞き取った。30歳になるまで一貫して非正規雇用で働く女性、20代後半から芸能の道に進み始めた女性、家族で健康問題を抱えながら性的サービスの業界で正規雇用で働く女性、結婚9年目で子ども二人を育てながら非正規雇用で働く女性がいた。彼女たちがそれぞれに置かれた状況についてだけでなく、彼女たち同士が互いにどのように関わり合っているのか、あるいはいないのかについても聞き取った。 以上の結果をふまえて、高校3年生から30歳になるまでの彼女たち一人ひとりのライフヒストリーを記述し、そこから何が浮かび上がるかについて先行研究の検討も行いながら論じて、著書の原稿を執筆した(2015年刊行予定)。 この研究と並行して、セクシュアルマイノリティの若者を対象としたインタビュー調査を次年度に行うための準備をした。具体的には、2009年に実施したインタビュー調査の対象者であったレズビアンとFTMトランスジェンダーの若者たち6名の近況を知りながら、質問項目の検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高卒12年目調査を実施することができただけでなく、その結果の分析まで終えることができたため。また、次年度の調査の準備も確実に進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は高卒女性を対象とした追跡調査の実施と分析に重点を置いたため、次年度はセクシュアルマイノリティを対象とした調査の実施のほうに重点を動かしつつ、高卒女性の追跡調査の結果分析をより深化させたり、セックスワークに関する調査の準備を進めたりしたい。
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