研究課題/領域番号 |
26780475
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
杉田 真衣 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (50532321)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ジェンダー / セクシュアリティ / 女性性 / 若者 / 移行 |
研究実績の概要 |
第一に、前年度にそれまでの研究成果をまとめて著書『高卒女性の12年-不安定な労働、ゆるやかなつながり』(大月書店、2015年)を刊行したことで、本年度は学会や研究会等で研究成果を発表する機会を12回得た。指摘や批判を得ることによって、自身の研究を問い直し、今後の課題を認識することができた。受けた指摘や批判に応えるために論文2本を執筆した(杉田真衣「働く若者はどう語られてきたか」小谷敏編『二十一世紀の若者論-あいまいな不安を生きる』世界思想社、2017年。杉田真衣「高卒女性たちの労働と生活を追って」『女性学』Vol.24、2017年。)。くわえて、性的サービス労働に関する自身の考察をさらに発展させるために、その性的サービス労働と貧困との関係を考える論文を執筆した(杉田真衣「若年女性の貧困と性的サービス労働」松本伊智朗編『「子どもの貧困」を問い直す』法律文化社、近刊)。 第二に、北陸以外の地方でのセクシュアルマイノリティの置かれた状況や当事者運動・支援活動について知りたく、青森の団体の報告を聞き、実際に現地にも足を運んで、その活動から学んだ。 第三に、2002年からグループで実施し、2008年に終了した後は単独で実施してきた追跡調査の協力者である東京在住の4名の30代女性との関係の維持に努めた。2009年に実施した、東海・北陸地方在住の、生まれたときに割り当てられた性別が女性であるセクシュアルマイノリティの若者を対象とした調査の協力者6名との関係も維持し、そのほかに2名から調査協力への了解を得た。全部で12名の調査協力への内諾を得て、翌年度に調査を行うことを可能にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2016年9月に金沢大学を退職し、同年10月に首都大学東京に着任したが、年度途中の転出だったため双方の仕事が重なるなどして、研究体制を整えるための準備期間を確保することができず、年度当初に予定していた調査を年度内に遂行することが叶わなかった。そのため、補助事業期間の延長を申請し、承認を得ることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた12名の若者を対象としたインタビュー調査を実施する。その結果を分析して、学会大会か雑誌上で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年9月に金沢大学を退職し、同年10月に首都大学東京に着任したが、転出の時期が確定するのに時間がかかり、年度途中の転出で両学の仕事が重なって引っ越しや研究環境の再整備に費やせる時間がごくわずかしかなく、予定していた調査を実施することができなかった為。
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次年度使用額の使用計画 |
予定していた12名を対象としたインタビュー調査を確実に遂行する。東海・北陸地方での調査のための旅費と、前回調査時は北陸にいたがその後四国地方へと移住した協力者を対象とした調査のための旅費に本年度交付額の残額を充てる。
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