研究課題/領域番号 |
26780476
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
隼瀬 悠里 福井大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (90611773)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フィンランド / 教師教育 |
研究実績の概要 |
「学び続ける教員像」の確立を目指して、教員養成の高度化に加えて養成から研修までの教師教育の核を大学が担うことが求められている現在、その教師教育を担う教師教育者の資質能力が課題となっている。日本では未開発の領域である教師教育者研究を行うに際し、本研究では30年以上にわたり修士レベルの教員養成制度を構築しており、大学を核とした教師教育者育成に取り組んでいるフィンランドに焦点を当てる。本研究は、フィンランドにおける大学を核とした教師教育者の位置づけと専門性開発のあり方の探究を通して、日本の今後の教師教育者の育成への示唆を得ることを目的としたものである。 本年度は、主として国際的な動向を踏まえた教師教育者の定義についての概念整理と先行研究の整理を中心に進めた。教師教育者の定義については国内外において、養成機関の教員のみではなく、学校における実習指導教員や行政機関の研修担当者など広い概念として捉えられている傾向があることが確認された。 また、以前に行ったフィンランドでの現地調査からは、教育実習生の理論と実践の往還に実習校指導教員の与える影響が高いことも明らかになっている。こうした調査結果を踏まえて、フィンランドでは教員養成制度が博士課程への進学も可能なものとなっており、こうした制度基盤によって、フィンランドでは大学が広義の教師教育者育成の場として機能している可能性があるということを論文において指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたうち、文献調査については、重要な情報を含む資料を入手し、分析することができたため、計画通りの成果が得られた。ただし、基礎調査で予定していた海外学会での最新の知見を含む研究交流が実現しなかったため、若干の課題が残った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査を踏まえ、国内外の学会での動向も踏まえて更に基礎調査を充実したものとする。また、現地における調査を実施し、国内外の学会における発表や現地研究者との意見交換などを通じてフィードバックを得るとともに、さらなる研究の進展を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定をしていた海外学会への参加予定を次年度に変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
国外での研究動向を整理するために海外学会へ参加し、情報収集及び研究交流を行う。
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