本研究では、フランスにおける移行のためのキャリアパス形成のしくみについて、パリ、リヨン、リールでの実地調査に基づいて明らかにした。その結果、「市民社会」「資格社会」「移民社会」「グローバル社会」に生徒を適応させるため、公的な専門家が中心となって、教科外でのガイダンスを通じて進路に関する知識とコンピテンシーを育成していることが明らかになった。 一方で日本では、教員が社会での体験活動を通して職業観・勤労観とコンピテンシーを育成する傾向にあり、今後は教科の意義を熟考することで市民育成の視点から「労働・職業」との接合を試みる必要性が示唆された。
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