| 研究課題/領域番号 |
26780487
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| 研究機関 | 大分県立芸術文化短期大学 |
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研究代表者 |
朴 貞蘭 大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 講師 (80567008)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 建国期韓国 / 国語科教科書 / 朝鮮戦争戦時教材 |
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| 研究実績の概要 |
本研究「戦争と教科書―朝鮮戦争期における『戦時教材』シリーズを中心に―」は、現在までほとんど取り上げられることがなかった朝鮮戦争期（1950～1953年）における大韓民国の『戦時教材』シリーズ（全11冊）を取り上げ、どのような価値体系とナショナル・アイデンティティを構築していたかについて考察することを目的としたものであった。
平成26年度においては、朝鮮戦争時における戦時教材シリーズのなかで、とりわけ初等学校用のもの5冊を収集し、分析した。収集できた5冊は、以下である。
『戦時生活１－１ 飛行機』、『戦時生活１－３ 軍艦』、『戦時生活２－２ 我々は必ず勝つ』、『戦時生活２－３ たくましい我が民族』、『戦時生活３－３ 我々も戦う』
上記の他、通常教育で使用された国語科教科書（中等学校用）も分析を行ったが、合わせて以下の結果がわかった。
1948年の大韓民国樹立と1950年の朝鮮戦争勃発とともに、韓国の国語科教科書における国家イデオロギー教育はますます強化されていく。新国家が誕生するとともに、国語科も新しい時代を迎えることになるが、形式編制にはその変化が見られるようになった。しかしながら、テキストの内容編制においては、戦時中のアメリカを中心とした「国際連合韓国再建委員団（UNKRA）」の支援の影響から親米的な傾向が見られるテキストが増えた。また、朝鮮戦時期における『飛行機』、『軍艦』、『我々は必ず勝つ』、『たくましい我が民族』、『我々も戦う』などの戦時教材からは、当時の生々しい戦時状況・実態がうかがえる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、平成26年～27年の2年計画の研究データであるが、初年度である平成26年度には、初等学校の戦時教材が収集でき、その研究成果を、学会で発表、大学の紀要で発表できたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、中等教育の戦時教材を収集し、分析を行う。そのうえ、総合的な分析と考察が必要である。発掘されていないもの、もしくは1冊しか現存しない教材に関しては、引き続き古本屋を回りながら、調査する必要もある。なお、研究成果の発表については、10月24日「多言語社会研究会」（於・東京大学）にて成果をご報告する予定である。
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