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2014 年度 実施状況報告書

物語テキストを協働的に読み深める授業についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 26780490
研究機関群馬大学

研究代表者

濱田 秀行  群馬大学, 教育学部, 准教授 (70627538)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード教室談話 / 文学的文章 / 読むこと / 視点
研究実績の概要

物語テキストの理解過程に関する先行研究において見出された知見の整理を進めた。我が国の文学教育の史的展開を跡づけ,その実践において重視されてきた価値観や指導方法の特徴について検討を行った。100年にわたる実践の歴史のなかで,書く活動を通してテキストにしっかり向き合わせること,協働的な学習活動で自己の読みを洗練させることなどが重視されてきていることを確認した。そのような実践の流れのなかで西郷竹彦以降の文学的体験の核とされる客観的認識と主観的認識の弁証法的統合過程を,ジュネット(1985)などの物語学における「視点」にかかわる議論で得られた知見と関連付け,バフチン(1988;1989)の発話構成理論に基づく教室談話分析における児童の読みの深まりをとらえる概念として拡張する理論的な検討を行った。
フィールドワークでは,公立小学校2校で授業事例のデータ収集を行った。フィールドノーツの記入に加え,ビデオカメラで撮影を行い,小グループでの学習活動時にはICレコーダによって録音を行った。いくつかの事例については文字起こしを行い,物語テキストについて読者が読みを深める過程について予備的な分析を行った。その結果,物語テキストの「焦点化」と生徒の発話における「焦点化」の対応に談話過程の文脈が大きくかかわっていることが明らかとなった。
上記の二つの研究の内容については,それぞれを平成27年度中に論文化し,学会誌に投稿する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

文学教育にかかわる理論的な検討と授業事例データの収集,ともにおおむね予定していた計画どおりの進捗である。

今後の研究の推進方策

平成27年度以降もフィールドワークを行う学校とのラポートを保ちながら,授業観察やインタビューを計画的に進めていく。

次年度使用額が生じた理由

年度末に研究上で急を要する物品がなかったため。

次年度使用額の使用計画

27年度の助成金に加え必要な物品購入や旅費として使用する。

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公開日: 2016-06-01  

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