国語の授業において児童生徒が物語についての読みを協働的に深めていく過程の詳細について明らかにした。継続的なフィールドワークに基づく教室談話分析の結果から,談話過程において児童生徒が虚構世界の存在や現象についての異なる見方を提示し合い,互いの発話に応答し合う中でそれを関連付けていることが明らかとなった。読み手の属性や経験の違いによって虚構世界の存在や現象について意味づけのあり方はそれぞれ異なる。他者のアイディアを尊重しながら聴き合う文化を醸成し,その機会を授業において保障することの重要性が示唆された。
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