研究課題/領域番号 |
26780492
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松嵜 昭雄 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10533292)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 原場面 / モデリング |
研究実績の概要 |
2014年6月29日-7月3日にオーストラリア・シドニーで開催された,The 37th Annual Conference of the Mathematics Education Research Group of Australasiaにおいて,論文「Leading a new pedagogical approach to Australian curriculum mathematics: Using the dual mathematical modelling cycle framework」を発表し,『Proceedings of the 37th Annual Conference of the Mathematics Education Research Group of Australasia』(pp.357-364)に掲載された。また,現地にて,オーストラリアのモデリング研究者と,本科研の実施計画等について意見交換を行った。 数学的モデリングにおける原場面の機能に関する論文「数学的モデリングの記述的枠組みにおける原場面の機能-中後期フッサール現象学の方法の適用-」が『日本数学教育学会誌』第97巻第3号(pp.14-23)に掲載された。 数学的モデリング能力に関する論文「Confirming and supplementing of modelling competencies: Using applied response analysis mapping and focus on Gen-Bamen」が『International Journal of Research on Mathematics and Science Education』Vol.2(pp.17-32)に掲載された。 現実世界の課題場面からの問題設定を意図した教材を開発し,埼玉県内公立小学校の第1学年の児童を対象として授業を行った。 都内私立中学校の女子生徒を対象として行った実験授業の成果等について,論文「Evidence of reformulation of situation models: Modelling tests before and after a modelling class for lower secondary school students」としてまとめ,数学的モデリングに関する専門書『Mathematical Modelling in Education Research and Practice』に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果の発信について,日本数学教育学会第47回秋期研究大会における発表を予定していたが,問題解決過程における原場面の機能について,『日本数学教育学会誌』に査読付論文として成果をまとめることができた。また,原場面に注目した問題解決過程の特定について,国際学会International Society for Mathematics and Science Educationの雑誌『International Journal of Research on Mathematics and Science Education』に,査読付論文として成果をまとめることができた。これらの成果物は,当初予定していた計画よりも進展している。また,現実世界の課題場面からの問題設定を意図した教材を新たに開発し,小学生を被験者とする授業を実施することができた。 一方,小学校児童と数学者との比較については,次年度以降に実施することになった。この点については,計画通り進捗しておらず,やや遅れていることになる。 以上より,「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,当初の計画通り,国際会議(5月:第7回東アジア数学教育国際会議(The 7th-ICMI East Asia Regional Conference on Mathematics Education),7月:17th International Conference on the Teaching of Mathematical Modelling and Applications)へ参加し,発表を行う。5月にフィリピン・セブ島で開催される,第7回東アジア数学教育国際会議では,Topic Study Group「Quality Early Childhood and Lower Primary Mathematics Education」において,「How the first grade pupils express models? Focus on situation models reformulation in a modelling teaching」発表許諾を得ている。 平成26年度に取り組む予定であった,数学者を被験者とする実験調査については,10月以降に着手していくよう準備を進めている。
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