現実世界の課題場面からの問題設定を通じた数学的解決では、解決が問題解決者の経験に左右される。そこで、「解決者が自身の経験にもとづき想起する場面」である原場面に着目した。そして、中後期フッサール現象学の方法の特徴である、「ノエシス-ノエマ」構造を適用して、2つの原場面の機能を同定した:1つ目の地平機能は、ノエシス的側面である作用とノエマ的側面である対象の総合的な働きである。2つ目の反省機能は、過去のノエシスを振り返る働きである。実験調査データにもとづき作成した応用反応分析マップに現れる原場面の地平機能と反省機能を確認した。
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