研究実績の概要 |
本研究の目的は,小学校国語科の「話すこと・聞くこと」の単元学習において,児童が,教師や他の児童らによる評価結果を自らの活動にどのように役立てるのかを,話し上手・下手×聞き上手・下手からなる「話し方・聞き方スタイル」,ならびに学年段階の視点から明らかにすることであった。具体的には,研究代表者ら(梶井, 2012; 阿彦・梶井, 2012)が作成した,学習指導要領を反映させた指導・評価の観点(項目)を用いて,児童の能力および発達の実態に即した「話すこと・聞くこと」の指導・評価の方法について,学校教育実践に資する基礎的資料を提言することであった。 今年度の前半は,昨年度までの研究成果について,所属学会の全国大会で2件のポスター発表を行った(「看図説話を用いた話し合い活動における児童の参加構造及び個々の能力の特徴に基づく指導法の提案」髙阿田詩音・梶井芳明〔日本読書学会〕,「小学校3年生のスピーチ活動における聞き方方略の検討」山崎加奈・梶井芳明〔日本教育心理学会〕)。 学会発表を通して,本研究に関わる情報交換を行うとともに,論文のまとめに資する有益な情報,資料を多数得ることができた。 後半は,所属学会へ投稿する論文を2本,完成させた。 なお,論文の作成に当たっては,計画した小学校国語科の「話すこと・聞くこと」の指導・評価法についてまとめた実践研究論文を完成させるのに加え,小学校と幼稚園の話し合い活動を比較研究にした成果を,「幼小接続」「スタートカリキュラム」の視点から,新たに論文にまとめることができた。 今年度は,投稿論文の完成に予想以上の時間を要し,年度内に投稿を済ませることが出来なかった。直ちに,投稿を行いたい。
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