本研究の目的は,児童の話し上手・聞き上手に至る発達の様相を明らかにするために,第3学年の帯単元で実施するスピーチ活動を対象に,教師による聞き方方略のフィードバックが,児童の方略の選択・活用に及ぼす影響を検討することであった。 研究の結果,第1に,児童がスピーチの様態でなくスピーチの内容に関する方略を選択・活用することが,児童評価と教師評価を話し上手・聞き上手で一致させる要因の1つとなること,第2に,児童がフィードバック内容から選択・活用する方略は,スピーチの様態に関する方略から内容に関する方略へと変容し,さらには,低学年から高学年の指導事項に位置づく方略へと段階的に変容する傾向が示唆された。
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