研究課題
本研究の目的は,数学の対話的本生に根ざした社会的構成主義の哲学に基づき,数学学習の理論を新たに開発することである。これまで本研究では,数学の対話的本性の重要な側面として,数学的ディスコースと記号論的視点に注目して理論的,実証的な研究を進めてきた。平成28年度は,過去2ヵ年の研究成果に根ざしながら研究活動の国際化を推進した。平成28年度の研究実績は,次の2点に要約できる。一つは,これまでの研究成果を英語論文としてまとめ,数学教育学の国際ジャーナルに投稿し,査読を経て,採択されたことである(現在はonline first articleとして公開中)。もう一つは,本科研のテーマを更に発展させるため,アーギュメンテーションという新たな視点から研究を展開したことである。1点目について,国際ジャーナル(International Journal of Science and Mathematics Education)に掲載された論文では,数学の対話的本性の重要な側面であるディスコースと記号論の視点を組み合わせて,数学学習を捉える理論的枠組みを構築し,その妥当性の検討を行った。2点目について,数学の授業中のアーギュメンテーションに注目して本研究の成果を更に発展させるため,2017年3月にドイツ・ブレーメン大学において当該分野を専門とする海外の研究者と研究セミナーを行い,今後の研究課題を明確にすることができた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
International Journal of Science and Mathematics Education
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s10763-016-9765-3
日本数学教育学会誌『数学教育』
巻: 98(7) ページ: 16-19
日本数学教育学会『第4回春期研究大会論文集』
巻: - ページ: 139-146