研究課題/領域番号 |
26780502
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
森 美智代 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (00369779)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 保 / コミュニケーション教育 / 国語単元学習 / 経験カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究は、エマニュエル・レヴィナスの他者論に代表されるような倫理性に重きを置く目標論の展開と、そうしたコミュニケーション観に基づくカリキュラムの構築を、保幼小中校種間の連携の内に構想し、それぞれの学校種において実践的に検証することを目的とするものである。 当該年度においては、フィールド研究を中心に、幼稚園と小学校における実践及び実践報告の再定位を行った。そのための視点として、a.保育研究における経験カリキュラムの考え方、b.小中学校における国語単元学習の考え方である。この両者を本質面で連携させるべく、実際に行われている教育実践の集積と実践報告の読み直しを行った。 具体的には、1.保育所・幼稚園でのフィールド研究として、福山市立大学附属幼稚園との連携を図り、経験カリキュラムの具体化のあり様と実践の実際について、実践における子どもの様子と、保育者へのインタビューをもとに調査を行った。幼年期の子どもの活動については、定点的なデータ収集が困難であるため、保育者のインタビューを中心にカリキュラムや実践の意図を探り、絵本を教材としたコミュニケーション活動を仕組み、教育指導案を作成し、実施した。また、2.小学校・中学校でのフィールド研究として、福山市内の公立小学校と連携し、国語単元学習の理念に基づく授業単元の実態と授業実践について、教師へのインタビューとともに、授業における学習者の様子や学習者の言語生活の実態を、授業記録や学習者のノート、授業の成果物によって明らかにした。 保育・幼児教育における経験カリキュラムと国語単元学習について、それぞれの実態に基づきその接合点を究明するため、文学教材を用いたコミュニケーション活動に焦点化し、幼児教育においては絵本を用いたコミュニケーション活動、小学校教育においては文学的文章教材を用いたコミュニケーション活動を中心に、系統的な教育実践の可能性を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィールド研究としての幼稚園及び小学校における実践研究については、概ね計画通りの研究データを集積するに至っている。しかし、研究協力者である小学校教諭の休職や異動が重なり、当初予定していた通りの進捗が難しい状況にあった。小学校における実践研究においては、複数の研究協力者を予定していたために休職者が出ても他で補うことが可能であったが、中学校における実践研究については、研究協力者が1名であったため、休職による研究の中断に大きく影響した。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでの成果に基づき、コミュニケーションを主軸としたカリキュラムを構想し、部分的に実施・検証を行いながら、カリキュラムの精度を高める予定である。引き続き、実施・検証にかかわるフィールド研究では、実態調査時と同様にデータの収集と整理・分析を行う。また、研究協力者と議論を重ね、個別対応的なカリキュラムでありつつも、普遍性のあるカリキュラムの策定を実現する。研究に遅れの影響が少ない、幼児教育と小学校教育との連携を中心に、カリキュラムの策定を実現していきたい。 特に研究が遅れた中学校教育における実践研究については、新たな研究協力者や研究協力校を開拓し、データの収集と整理・分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
小学校・中学校教諭である研究協力者の休職(育休、病気療養)が重なり、研究機材等の購入の見通しが立たなかったことに加え、研究協力者の異動による職場環境の変更があり、研究環境の整備を見送ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
休職中の研究協力者については、新規の協力者・協力校の開拓を進める。研究協力者の異動については、2016年度4月に協力校の変更とともに、研究環境の整備が可能となったため、すでにそれに合わせた研究機材の購入に向けて、発注済みである。
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