本研究は、小学校4年生を対象に、謡の学習プログラムに基づいた授業を継続的に実践することで、児童の声が響きのあるものに変わる過程と、謡を通した地域文化への愛着度の変化を検証した。 第1に、計3回の検証授業の歌声を教材の同じ所で比較し、児童の声の変化をスペクトル分析を用いて検証した。その結果、学習を重ねるごとに、児童の声が、腹の底から出る響きのある声へ変化したことが明らかになった。第2に、検証授業後に計3回、自尊感情尺度、適応感尺度、地域愛着度尺度を用いてアンケート調査を行った。その結果、学習を重ねるごとに、自尊感情が高まり、地域文化に対する愛着度も高まっていったことが明らかになった。
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