研究課題/領域番号 |
26780506
|
研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
村田 透 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30469473)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 造形表現 / 意味生成 / 幼児教育 / 保育 / 相互行為分析 / エピソード記述 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、幼稚園にて造形表現活動を継続的に実践して、異年齢児相互の交流が子どもの身の周りの関係性の構築や意味世界を生成する展開過程と、異年齢交流の経験や学びが日常の遊びに作用する展開過程を明らかにすることを目的としている。 平成28(2016)年度は、申請者が所属先(大阪大谷大学教育学部)を平成28年3月末で退職し、平成28年4月から滋賀大学教育学部に着信した年度である。そのため、本研究(1.幼稚園での造形教室の実施、2.子どもの造形行為の記録・分析・考察)を実施することができず、当初の研究計画に大幅な遅延が生じた。 上記の理由により、「科学研究費補助事業補助期間延長」を申請し、平成29(2017)年度までの期間延長が承認された。 平成28年度の主な取り組みは、新たな研究協力先の開拓であり、滋賀大学付属幼稚園・小学校を得ることができた。付属小学校では、本研究の対象である幼稚園児の場合と共通する条件(材料・用具・内容)で、異年齢集団の小学生を対象とした造形ワークショップ(2017.2.27~3.3)を実践することができた。本研究の対象は幼稚園児であるが、小学生の事例を比較資料とすることで、幼稚園児の造形表現行為の特性との共通点や相違点や新たな知見が得られると思われる。その理由により、付属小学校で実践した造形ワークショップの事例の分析・考察を進めている。 その他の研究協力先の開拓として、滋賀大学近隣の幼稚園や小学校へ研究協力の依頼を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28(2016)年度の研究到達度について、「研究実績の概要」に記した通り申請者の所属変更があったため、本研究を実施することができず、当初の研究計画に大幅な遅延が生じた。 ただし、滋賀大学教育学部付属小学校における表現フェスティバルにて、「造形遊び」を内容とする造形ワークショップを5日間(2017.2.27~3.3)を実施することができた。本研究は幼稚園児を対象とした内容であるが、小学生の事例(幼稚園を対象とした場合と共通する材料・用具・内容で実施)を本研究の比較資料とするために、分析・考察を進めている途中である。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、申請者と幼稚園が連携して造形教室を実施し、研究目的を明らかにすることを目指している。本研究は幼稚園児を対象としているが、小学生の事例を比較事例とすることで、平成27(2015)年度に明らかになった幼稚園児の5つの造形表現行為の特性について、共通点や相違点や新たな知見を得ることができると思われる。 そのため、最終年度となる平成29(2017)年度は、新たな研究協力先である滋賀大学教育学部付属幼稚園や小学校および大学近隣の幼稚園や小学校にて、造形教室の実施と記録・分析・考察を進める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28(2016)年度は、申請者の所属変更を主な理由として、造形教室の実施・記録・分析・考察を実施することが出来なかった。そのため物品費について、データの記録・分析するための機材や書籍の購入は行ったが、造形教室の教材費の購入がほとんど無く、残金が生じた。人件費・謝金について、研究協力者である学生への謝金が発生せず、残金が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29(2017)年度は、本研究の最終年度として、幼稚園や小学校での造形教室を実践・記録・分析し、成果を発表する予定である。そのため予算(平成28年度の残金)を造形教室の教材の購入、学会等に参加するための旅費・会費、研究協力者への謝金に充てるつもりである。
|