本研究の目的は、異年齢児が交流する造形表現活動を通して幼児が身の周りの環境との関係性の構築や意味世界を生成する過程を明らかにすることである。明らかになったことの1つ目は、子どもは材料や出来事の固有の意味をつくり、アイデンティティをつくる。2つ目は、活動の場は3つの次元(重要な他者との関係、外界との関係、社会文化環境との関係)が相互に規定する関係性で成り立ち、子どもの<自分の心>を育む場となる。3つ目は、造形表現活動において子どもは探究をして、意味世界の生成過程に連続性や発展性が生じる場合がある。4つ目は、子どもの探究による理解は、子ども達固有の文化的価値の受容と創出と表裏一体となっている。
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