研究課題
本研究の目的は，統計的推論力の発達という視点から小学校と中学校の校種間の連携を明確にし，深めるための理論・実践的方法・教材を開発することである。今年度は、以下の２点を行った。① 統計的推論力の発達を促進する小・中学校の授業の分析一昨年度，昨年度に行った小学校第２学年の授業と中学校第３学年の授業のデータを，統計的推論の視点から整理・分析すると共に，以前に申請者が行った統計的推測に焦点をあてた小学校第５学年の授業のデータをモデリングの視点から再分析した。② 統計的推論力の発達プロセスの解明と授業構成に関する理論的枠組みの構築分析した全データをもとに，統計的推論力の発達という視点から小中学校の統計授業の連携を明確にし，深めるための理論的枠組みの構築と洗練を図った。具体的には，学年内・校種間における統計的推論力の発達プロセスを明らかにした。特に，このプロセスでは，学年・校種段階に関わらず子どもたち自身がモデルを創り，洗練させていく共通点を見いだせることから，統計的推論の促進・発達とモデル・モデリングに関わる活動の関連性が深いことも示唆された。このことは，統計的推論に関する研究をモデリングの視点から発展させる可能性を示唆する知見であり，平成29年度から掘り下げていく予定である。以上の研究成果の一部は，国際学会（第13回数学教育世界会議(ICME13)，第39回オーストラレーシア地区数学教育学会(MERGA39)），国内学会（日本科学教育学会第40回年会，第13回統計教育の方法論ワークショップ）において発表した。また，開発した小学校における統計の授業プランを書籍（分担執筆）として公刊した。さらに，昨年度に投稿していたSpringerから発行されるモデリング関係の洋書チャプターの原稿がアクセプトされ，平成29年度に公刊される予定である。
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統計教育実践研究
巻: 9 ページ: 83-86
Proceedings of the Ninth Congress of the European Society for Research in Mathematics Education (CERME9)
巻: - ページ: 1745-1751
Proceedings of the 39th Annual Congress of the Mathematics Education Research Group of Australasia (MERGA39)
巻: - ページ: 688
日本科学教育学会第40回年会論文集
巻: - ページ: 63-66
