聴覚障害に自閉症スペクトラムを併せ有する児童の言語的特徴を明らかにし、継続的介入を行うことで効果的な指導方法を検討した。抽出事例は非言語性知能は正常範囲内であったが、全体的な言語発達の遅れに加え、感情や状況の理解が難しい、語用論の誤り、注意・集中の課題等の特徴が指摘された。各自の言語及び認知発達を評価した上で、ヘルプブックや表情イラスト等の補助教材、パターンを活用した会話練習、動画によるSSTによる指導では一定の効果が見られた。一方、文法や語用論の学習には難しさも見られ、正しい日本語だけでない広義でのコミュニケーション力を伸ばすとともに、周囲がその特徴を理解していくことも必要であると考える。
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