小学校通常学級にはLD児が4.5%存在する。LD児の中には聴力に問題がないが雑音下での聞き取りに困難があり,それがボトルネックとなって読み書きの習得を阻害する事例がある。小学校1から6年生の児童を対象に自身の聞こえに関する質問紙調査と読み書きの流暢性に関する調査を実施し,聞こえの困難さと読み書きの困難さの関連を検討した。その結果,聞こえの認識は個人間のばらつきが大きく,質問紙でその困難さを捉えにくいという問題が明らかとなった。また,読み書き障害・書字障害と特異的な聞き取り困難が合併する事例に対して,アクティブノイズコントロール技術やFM補聴器技術で補うことを試みたLD事例の報告を行った。
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