研究課題/領域番号 |
26780516
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
成瀬 廣亮 福井大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (70569160)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歩行分析 / 歩行比 / 骨盤前傾位 |
研究実績の概要 |
6歳から15歳までの児童60名(注意欠陥多動性障害(ADHD)児30名、定型発達(TD)児30名)を採用した。すべての参加者に対して、運動機能評価(M-ABC2)、筋力(最大等速性筋力)、関節可動域(股、膝、足、FFD)、関節弛緩性(Beighton score)、歩行、知能指数(WISC-Ⅳ)の評価を実施した。また母親に対して子どもに対する質問紙(ADHD-RS,SDQ,AQ、DCDQ)を実施した。その後のデータ解析は、体格が同等の7歳から12歳までの男児のみの解析を実施した(ADHD児19名、TD児17名)。 結果として、運動機能は、TD児と比べ、ADHD児では統計学的に有意に低値を認めた。特に、ボールを操作する課題において有意に低値を認めた。さらに3次元動作解析装置を用いた歩行分析では、歩行中の姿勢がTD児と比べて、骨盤前傾位を呈していた。さらに、歩行比においても、TD児と比べて、有意に低値を認めた。しかしながら、筋力、関節可動域、関節弛緩性においては、注意欠陥多動性障害(ADHD)をもつ児童と定型発達児(TD)において統計学的に有意な差を認めなかった。また保護者からの質問紙では、すべての質問紙において、有意な差を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標としていた参加者数に対して研究を実施することができており、さらにデータ解析は、運動に影響を及ぼすと報告されている知能指数、性別、体格などを考慮して実施し、ADHD児においてTD児と比べて、異なる運動パターンを認めた。概ね研究計画に則して、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
運動解析の結果を元に、特徴的な運動パターンと脳皮質体積(VBM)および白質微細構造(DTI)との関連性を検討する予定である。 また研究を遂行する上での課題としては、低学年の子どもではMRIでの調査は、すべての項目の評価は時間がかかりすぎる、体動などのアーチファクトが多いなどの点から困難であることが予想される。そのため、まずは健常の大人を対象とした予備研究を追加して行い、評価項目を必要最低限として、本調査に臨む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた物品を、同等の機能で、かつ安価なものに変更をしたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画に予備研究を追加したため、そのための謝金として使用する予定である。
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