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2016 年度 実績報告書

視覚障害教育の専門性に立脚した支援システムとその実現条件

研究課題

研究課題/領域番号 26780521
研究機関筑波大学

研究代表者

宮内 久絵  筑波大学, 人間系, 助教 (40530986)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード特別支援教育 / 視覚障害 / イギリス / インクルーシブ教育
研究実績の概要

本研究は、視覚障害児の支援システムが充実したイギリスに焦点をあて、そのシステムの実現条件について、歴史的検討と実態調査を用いて明らかにした。結果、次の2点が明らかとなった。一つは、視覚障害児の特有なニーズに的確に対応できる専門家の存在と、その派遣方法である。イギリスでは、152 あるすべての各地方当局に障害児のための支援センターが設置され、視覚障害専門資格を有する専門教員を通常学校に派遣するシステムが構築されていた。また、視覚障害を「低発生頻度障害(low incidence special educational need and disability)」として位置づけ、他の障害とは別枠で予算措置が実施されていた。二つ目は、通常学校における「インクルーシブ」な教育環境整備である。具体的には視覚障害を含め、多種多様なニーズを有する児童生徒を念頭にいれた集団編制や教授法が採用されていた。また、管理職、担任、ティーチングアシスタントが障害についてある一定の知識を有していた。この背景には、1960年代半ば以降から1970年代初頭にかけて都市部の小・中学校では、障害だけでなく貧困等の要因によって学習上に困難を抱える子どもの存在が顕著となっており、効果的な教育方法が検討されていたことが挙げられた。また、早くも1970年にはイギリス北西部において専門教員による巡回指導システムが構築されると、通常学校ではより多くのニーズ児を受け入れる姿勢が見られるようになった。現在のシステムは、障害児のみならず移民や貧困層の児童生徒など社会的要因からニーズを有する児童生徒に対し、より良い教育を提供するための手段として、50年以上もの歳月をかけて構成されたシステムであることがわかった。なお、3年間で得られた成果は、学術論文8編(うち査読付4本)、その他学会発表等(5件)にて発表済みである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 1980年代イギリスにおける盲学校の廃校とその要因2017

    • 著者名/発表者名
      宮内久絵
    • 雑誌名

      障害科学研究

      巻: 41 ページ: 59-68

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 障害学生支援の国際的動向―イギリスの実情を中心に2016

    • 著者名/発表者名
      宮内久絵・竹田一則
    • 雑誌名

      文部科学教育通信

      巻: 390 ページ: 20-21

  • [学会発表] History of special classes for partially sighted students in the post-war Japan2017

    • 著者名/発表者名
      Hisae Miyauchi
    • 学会等名
      VISION 2017 Congress
    • 発表場所
      Netherlands
    • 年月日
      2017-06-26 – 2017-06-29
    • 国際学会
  • [学会発表] イギリスのインクルーシブ教育下における巡回指導教員の役割と資質能力‐オールダム地方当局における視覚障害専門教員(QTVI)へのインタビューを中心に-2017

    • 著者名/発表者名
      宮内久絵
    • 学会等名
      第58回弱視教育研究全国大会
    • 発表場所
      群馬県社会福祉総合センター(群馬県・前橋市)
    • 年月日
      2017-01-19 – 2017-01-20
  • [学会発表] イギリスにおける視覚障害児童生徒の支援体制構築に関する歴史的検討2016

    • 著者名/発表者名
      宮内久絵
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第54回大会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター(新潟県・新潟市)
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-18

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公開日: 2018-01-16  

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