本研究は、視覚障害児童生徒の支援システムが充実したイギリスに焦点を当て、そのシステムの実現条件を実態調査と歴史的検討をもとに明らかにすることを目的とした。イギリスには、152あるほぼすべての各地方当局に障害児のための支援センターが設置され、視覚障害専門資格を有する専門教員(QTVI)を通常学校に派遣するシステムが存在した。通常学校で学ぶ視覚障害児への支援システムは1970年に一部の地域において構築された。弱視児童生徒のみを対象としていた支援センターも、その後1981年教育法の成立や研究機関による支援体制構築のための手引書等の普及により、充実・拡大し、盲児童生徒にも対応できる体制を整えていった。
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