本研究では、種々の非共有結合性の相互作用を駆使し、単層カーボンナノチューブの安定なn型材料化と、熱電変換特性の高性能化に取り組んだ。とくに、ドープされた荷電状態のカーボンナノチューブとカウンターイオンとの相互作用に着目し、適切な静電相互作用を導入することで、実用レベルの安定性を有するn型カーボンナノチューブからなる熱電変換材料を創出した。またこの概念を筒状ナノチューブへのドーパント内包や有機ドーパントコロイドを用いたドーピングに展開し、従来のナノチューブ材料にない安定性や温度依存性を示す熱電変換材料を実現した。
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