本研究は、高温超伝導体テラヘルツ発振素子を外部共振回路と結合することで、その高出力化に挑戦した.テラヘルツ帯は情報通信、医療、セキュリティーなどの広範な分野で応用が期待され、固体発振素子の開発は急務である.本課題では、高温超伝導体を用いた発振素子の研究として初めて、直列接続した発振素子に金のグランドプレーンを導入することで、発振素子の高出力化を目標とした.グランドプレーン形成前後での発振時の印加電圧範囲が鋭敏に変化したことから、グランドプレーンを介した共振モードの実現が示唆された.併せて、希塩酸改質法によるインピーダンスのミスマッチングの解消といった観点から素子の加工法の改善に取り組んだ.
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