研究課題
申請課題に基づき、”次世代照明用 高効率白色LEDの研究開発”を目的とする全体構想の中で、非極性面GaNに注目し、高原料利用効率かつ低欠陥化可能な結晶成長法を見いだし、大面積非極性面GaN基板を実現することを目的として研究を行った。これまで、基板のそり、クラック、ヒロックならびに転位の低減には成功してきたが、部分的に転位が密集する部分が残っており、これによって基板全体の転位密度が10E6cm-2台と十分に下がりきらなかった。本年度はこの問題に対し、改めてV/III比、成長温度、SiO2マスクパターンといった成長条件の見直しを図った。第一段階として、成長初期にピラミッド状に成長させるファセット成長および平坦化させる埋め込み成長を続けて行うことで転位密度の減少を確認できた。さらにこの技術を応用し、ファセット成長+埋め込み成長を、基板研磨工程をはさんで繰り返すことで10E5cm-2台まで転位密度を低減することに成功した。なお、複数の評価手法(表面カソードルミネッセンスおよびエッチピット密度評価)から、部分的な転位密度の減少ではなく、基板全体を通して、10E5cm-2台の転位密度であることが確かめられた。また、部分的には10E4cm-2台の転位密度領域も確認されており、今後さらなる改良が期待できる結果となった。一方、透過型電子顕微鏡によりこの基板内の転位の種類を解析したところ、c面内の原子のずれにより生じたa型転位の密度が積極的に減少することが明らかになった。加えて断面カソードルミネッセンス像の観察を通して、転位の屈曲および消滅反応が生じる領域が明確となった。得られた結果は、国際会議発表および論文執筆という形でまとめる事ができた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Physica Status Solidi (b)
巻: 253 ページ: 819-813
10.1002/pssb.201552783