誘電体内部の電磁場の伝搬の様子は,古典電磁気学の範囲内で屈折率やフレネル係数を用いて記述されている.本研究テーマにおいて,屈折率やフレネル係数を量子論的に矛盾のない表式で記述できることを示した. 現代の光通信技術を支える光ファイバは誘電体でできており,一定の強度の電磁場を用いた運用が想定されてきた.しかしながら,量子暗号プロトコルを始めとした微弱光信号を用いた通信が行われており,古典電磁気学での解析は不可能となっていた.本研究で得られた知見を活用することで,光ファイバ内部の電磁場の伝搬の様子を,量子論的に適正に評価することができる.
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