重ね合わせの原理と均質化法を三次元転位動力学法に適用し,マルチスケール多結晶転位塑性モデルを構築した.ハイブリッド並列化を行い,計算の高速化に成功した.双結晶中の転位ループが作る応力場を計算した結果,理論解と一致する解を得ることができた. 銅の多結晶体の塑性変形を計算した結果,弾性異方性を考慮すると,弾性等方性の場合と比べて高い変形応力になることがわかった.その原因を調べるために,転位に作用する力を計算した結果,単結晶中では与えた変形(ひずみ)から生じる応力が弾性異方性と等方性で大きく異なることがわかった.多結晶中では,粒界付近の応力集中が低いシュミッド因子の転位源を活性化することがわかった.
|