研究課題
本研究では、2014年度より2017年度までの間に、生体分子のシミュレーションにとって重要なレプリカ交換分子動力学法(replica-exchange molecular dynamics: REMD )及び、焼き戻し法(simulated tempering: ST)に関するパラメータの最適な選択法について研究を行ってきた。焼き戻し法とレプリカ交換分子動力学法の間には、いくかの共通点があるが、焼き戻し法には一度に大量のCPUを使う必要がないという利点があり、レプリカ交換分子動力学法には重みの決定が不要という利点があり、両者ともに重要な手法である。両手法ではともに、実際に調べたい温度よりも高い温度で分子動力学シミュレーションを行う必要がある。このことによりポテンシャルエネルギーの障壁を乗り越え正しいシミュレーションが行うことができる.しかしながらこのような高温の分子動力学シミュレーションでは原子や分子の衝突がより高いエネルギーで生じ、分子動力学シミュレーションが不安定となることが懸念される。この問題点を払拭する手法として、質量スケールの方法を開発してきた。プロジェクトを通じ両手法において質量のスケールが有用であることを示しアルゴリズムがより簡便できることを示した。また、質量スケールの方法についてより一般的な手法を検討し過去に提案されていた手法をより厳密で頑強なアルゴリズムになるような提案も行った。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)
The Journal of Chemical Physics
巻: 147 ページ: 095101~095101
10.1063/1.4999709