本研究の目的は、傾理論を用いて次数付き岩永-Gorenstein環上の次数付きCohen-Macaulay加群の安定圏を解析することである。主な研究成果を以下に挙げる。 1. 1次元次数付き可換Gorenstein環に対し、ある仮定の下で、次数付き単純加群のsyzygyが生成する安定圏の三角部分圏に準傾対象が存在することを示した。また、その三角部分圏に傾対象が存在するための必要十分条件を与えた。 2. 体上の岩永-Gorenstein自明拡大代数に対し、ある仮定の下で、次数付きCohen-Macaulay加群の安定圏が0次部分代数上の有限生成加群圏の導来圏の許容部分圏として実現できることを示した。
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