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2016 年度 実施状況報告書

離散問題への応用を視野に入れた、同変トポロジーの具体的な計算手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26800043
研究機関山口大学

研究代表者

鍛冶 静雄  山口大学, 創成科学研究科, 准教授 (00509656)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードトーリック多様体 / H空間 / スティーンロッド代数
研究実績の概要

トーリック多様体は幾何と組合せの仲介役として、多くの重要な結果を生んでいるが、それに比べて実トーリック多様体はあまり調べられていない。多くの議論が複素の場合と平行に適用できるのは確かである一方、実の場合には全く異なる様相を示す側面があることはあまり知られていない。本年度は、実トーリック多様体の概念を拡張した空間のクラスを定め、その安定ホモトピー型が2トージョンを除いて組合せ論的に記述されることを示し、論文として出版した。またこの応用として、ある実トーリック多様体の族が、半順序集合のトポロジー・ワイル群の表現論に密接に関係することを発見し、ある種の表現がそのホモロジー上に構成できることを示した。この研究は現在進行中である。
コホモロジー作用素のなす代数であるスティーンロッド代数は、代数トポロジーの古典的な研究対象である。その双対はライプニッツ・ホップ代数と呼ばれる、対称関数と関わりの深い代数的組合せ論的な対象に埋め込むことができる。この埋め込みを通して、スティーンロッド代数の古典的な性質を拡張し、その新しい簡易な証明を与えた。
また、スティーンロッド代数とライプニッツ・ホップ代数を扱うアルゴリズムを考案し、合わせて論文とプログラムにまとめた。
H空間は、位相群のホモトピー論的な拡張である。ある空間上に、H空間の構造が入るかどうか、また入るならば、それはホモトピー可換であるか、ホモトピー結合的であるか、という問いは基本的である。
ここでは、ある種のH空間上に、ホモトピー結合的な積がいくつ存在するのかという問題を考察して、論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

いくつかの問題を解決し、論文にまとめることができた。また、実トーリック多様体の研究では、当初予想していなかった半順序集合やワイル群の表現論との関わりが見つかり、新たな研究につながっている。
さらに、スティーンロッド代数を扱うプログラムを作成し公開することができた。

今後の研究の推進方策

上に述べた今年度の成果を元に、実トーリック多様体の専門家、組合せ論的表現論の専門家と共同で、実トーリック多様体を用いた表現の構成に取り組む。また実トーリック多様体のホモロジー計算をするアルゴリズムを開発し、実装することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

予定していた打ち合わせが、都合が合わずキャンセルになった。

次年度使用額の使用計画

キャンセルになった研究打ち合わせを本年度に行うための出張旅費とする。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] サウサンプトン大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      サウサンプトン大学
  • [国際共同研究] ハイデルベルグ大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ハイデルベルグ大学
  • [国際共同研究] 東地中海大学(キプロス)

    • 国名
      キプロス
    • 外国機関名
      東地中海大学
  • [国際共同研究] アジョウ大学(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      アジョウ大学
  • [雑誌論文] The mod 2 dual Steenrod algebra as a subalgebra of the mod 2 dual Leibniz-Hopf algebra2017

    • 著者名/発表者名
      N. D. Turgay and S. Kaji
    • 雑誌名

      Journal of Homotopy and Related Structures

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      doi:10.1007/s40062-016-0163-x

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Homotopy decomposition of a suspended real toric space2017

    • 著者名/発表者名
      S. Choi, S. Kaji, and S. Theriault
    • 雑誌名

      the Boletin de la Sociedad Matematica Mexicana

      巻: 23 ページ: 153-161

    • DOI

      DOI: 10.1007/s40590-016-0090-1

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Counting the number of homotopy associative multiplications on certain H-spaces2016

    • 著者名/発表者名
      Shizuo Kaji, Michihiro Sakai, Stephen Theriault
    • 雑誌名

      Topology and its Applications

      巻: 214 ページ: 137-149

    • DOI

      http://doi.org/10.1016/j.topol.2016.10.008

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] A type-A Weyl group action on the associated real toric manifold2016

    • 著者名/発表者名
      S. Kaji
    • 学会等名
      The 4th Korea Toric Topology Workshop
    • 発表場所
      Jeju University, Jeju (Korea)
    • 年月日
      2016-12-27
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Equivariant string products2016

    • 著者名/発表者名
      S. Kaji
    • 学会等名
      The 5th GeToPhyMa: Summer school "Rational homotopy theory and its interactions" celebrating Jim Stasheff and Dennis Sullivan for their 80th and 75 anniversary
    • 発表場所
      UIR Rabat, Rabat (Morocco)
    • 年月日
      2016-07-20
    • 国際学会
  • [学会発表] Homotopy decomposition of a suspended real toric space2016

    • 著者名/発表者名
      S. Kaji
    • 学会等名
      Toric Topology 2016 in Kagoshima
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2016-04-20
    • 国際学会
  • [備考] 研究者ホームページ

    • URL

      https://skaji.org

  • [備考] github プログラム公開場所

    • URL

      https://github.com/shizuo-kaji

URL: 

公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-21  

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