研究課題
昨年度に引き続き、本研究では断面が d-2 次元の球面と同相であるような d 次元ユークリッド空間の中のチューブ内を動く粒子の運動に対し、次のような問題を確率過程論の立場でモデル化して考察することを目的としている。(1)チューブが収縮する場合、その収縮運動がその運動に対してどのような影響を与えるのか。更に収縮が繰り返されて、チューブがつぶれるような状況下で極限の運動は存在するのか。(2)チューブ内の媒質が変化する場合、その変化が運動にどのような影響を与えるのか。更に媒質が変化し、チューブ内の媒質が複数の層にわかれる状況下で極限の運動は存在するのか。(3)上記の(1)と(2)において極限の運動が存在する場合に、どのような性質を満たすか。これらのことを解明するため研究を遂行している。本年度は、チューブ内を運動する拡散過程が境界付近でどのような運動を行うのか検討するため、調和関数を用いた変換による局所時間の逆写像に関する研究を行い、研究論文として発表した。そこでは、反射壁条件のもとで境界に現れるレヴィ過程の表現に現れる特性量について考察を行い、それらの漸近挙動について拡散過程を特徴づける測度との関係について結果を得た。またいくつかの例も得ることができた。
3: やや遅れている
平成27年度7月まで育児休暇を取得しており、平成27年度の研究の達成が遅れている。
研究実施計画に基づき研究を遂行する。
平成27年度7月31日まで育児休暇を取得したため。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Ann. Reports of Graduate School of Humanities and Sciences, Nara Women's University
巻: 31 ページ: 127-138