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2015 年度 実施状況報告書

天文現象における自己重力流体の運動の数学解析

研究課題

研究課題/領域番号 26800071
研究機関宮崎大学

研究代表者

梅原 守道  宮崎大学, 工学部, 准教授 (40532164)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード天体の連続体モデル / 圧縮性粘性流体 / 自己重力 / 自由境界問題 / Lane-Emden方程式
研究実績の概要

本研究は、天体や銀河などを連続体近似を用いてモデル化し、そのモデルを数学的に解析することで天文現象を解き明かすことを目的とする。モデルとして、自由表面を持ち自己重力の効いている粘性熱伝導性ガス(流体星)を考え、その運動を初期境界値問題(自由境界問題)として定式化し、数学解析を行う。平成27年度の主な研究成果は以下の通りである。

(1)ガスが理想気体の場合の球対称運動(空間は3次元)について、これまでに得ていた結果をより洗練させる研究に取り組んだ。これまでの研究により本質が見えてきたことで、より見通しのよい計算方法を発見できたため、証明が随所で改良された。この研究により、結果は得られていたもののやや雑然・茫漠としていた状況がかなり改善されたと考えている。現在さらに、この計算を、空間次元を一般(3次元以上)とした上での結果へと拡張している最中である。
(2)球対称運動をする理想気体で、自由表面と中心核の表面での熱の出入りのあるモデルについて、解の長時間挙動と定常問題を考察した。前年度から引き続く課題であるが、依然として決定的な成果を出すまでに至らなかった。
(3)星のモデルとして古くから知られており単純(理想的)であるエムデン方程式を用いて、星のモデルの解が無限遠へ広がる様子や安定性に対する磁場の影響などを調べる研究を開始した。現象解析をモチベーションにした研究集会が定期的に開催できており、天文学者や物理学者らともディスカッションできる場が出来つつあるため、研究推進のためのよいヒントが得られている状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各課題において決定的といえる進歩(成果)は得られなかったが着実に前に進んではいる。いっぽうで、当初予定していなかった新しい課題への取り組みも開始した。

今後の研究の推進方策

引き続き各課題に鋭意取り組む。特に、自由表面と中心核の表面での熱の出入りのある球対称モデルについて注力する計画である。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ計画通りの使用額である。

次年度使用額の使用計画

特別な使用計画は不要といえる額と考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Global existence of the spherically symmetric flow of a self-gravitating viscous gas2015

    • 著者名/発表者名
      Morimichi Umehara
    • 雑誌名

      Advanced Studies in pure Mathematics

      巻: 64 ページ: 515-522

    • 査読あり
  • [学会発表] On spherically symmetric motions of a viscous heat-conducting and self-gravitating gas2015

    • 著者名/発表者名
      Morimichi Umehara
    • 学会等名
      The fifth China-Japan workshop on mathematical topics from fluid mechanics
    • 発表場所
      Wuhan University
    • 年月日
      2015-11-19
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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