近年,輻射気体系や拡散に非線形性や上限を考慮した飽和拡散型Burgers方程式系,緩和を含む双曲型保存系など,散逸効果が弱い多くの系において,パラメータによって進行波(衝撃波)がなめらかなものから不連続を含むものになることが知られてきた. 本研究は進行波の形態の違いを安定性の観点から説明することを目的とするものである.結果として,劣臨界の場合は系が有する拡散効果が移流効果に勝るが,臨界進行波では,任意に小さい初期摂動で解が有限時間で爆発しうること,さらにショックが強くなる(優臨界)と,エントロピー条件を満たす不連続が存在するがゆえに,移流によって安定性を回復することが分かった.
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