研究実績の概要 |
平成26年度は、本研究の土台となる研究目的「高次元PCAを用いた漸近理論の構築」に取り組み、PCAを用いた高精度な高次元共分散行列の推定法の開発し、固有値と固有ベクトルの推測に精密な漸近分布を導出した。さらに、共分散構造に関するパラメータの推測に高次元漸近分布を導出した。 Yata and Aoshima (2010,JMA)で提案した、非正規分布のもと頑健なPCA手法であるクロスデータ行列法と、Bickel and Levina (2008,AS)で提案された、スパースモデルで有効な Thresholding 法を融合させ、頑健な高次元共分散行列の推定法を構築した。さらに、Yata and Aoshima (2012,JMA)で与えた固有値と固有ベクトルの推測法を精密に評価し、標本数が有限個においてもある種の漸近分布を有することを示した。 一方で、高次元共分散構造に関するパラメータの推定・検定法を提案し、それらの高次元漸近分布を導出し、平成27年度以降の研究目的「高次元データの判別分析とパスウエイ解析の新たな推測理論の構築」の土台を構築した。
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