研究課題/領域番号 |
26800082
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
田上 真 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50380671)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユークリッドデザイン / アソシエーションスキーム / 球デザイン |
研究実績の概要 |
球面tデザインはできるだけ少ない点でできるだけよく球面全体を近似する為の有限点配置で、tはその近似の良さを表すパラメータとなっている。球面デザインにはよく知られているFisher型不等式と呼ばれる頂点数に関しての自然な下界が知られており、その下界で等号が成り立つものをtight 球面デザインと呼ばれ、エネルギー最小化の観点からもよい配置であるUniversally optimal codes(UOC)を与えること、またその構造にはグラフ理論として良い性質を持つアソシエーションスキームが付随することが知られていた。 2014年度に行った研究計画遂行としては、本研究代表者の先行研究(離散幾何学の材料科学への応用)に基づき、主に(グラフ理論としての)エネルギー最小化モデルやナノクラスター安定構造(ピーナツ型ポリマー等)について、国内会議6件、国際会議1件に参加し、情報収集を行った。 特に台湾で行われた「The 3rd Institute of Mathematical Statistics Asia Pacific Rim Meeting」に参加し、有限上半平面(アソシエーションスキームの一種)のRamanujanグラフ的観点からの分類についての講演を行い、数理統計学的観点からみた多くの離散モデルについての情報収集を行った。またユークリッド空間への球デザインの自然な拡張であるユークリッドデザイン(ここでもTightという概念が考えられる)において、全体のMomentが一定であるという条件の下、Completely monotone ポテンシャル関数に対して、Tight ユークリッドデザインがエネルギー最小構造を与えるかどうかのプログラミングを構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最終目標は、数学的観点からエネルギー最小構造を決定することである。初年度は2年度以降の研究の為の本研究に関連する情報収集を主に行ってきたが、多くの離散構造に対して半正定値計画法の応用があることがわかり、その方法について知ることができた。特にグラフに対するEuclidean Distortion 最小化への半正定値計画法の応用はグラフを固定し、そのグラフ構造を持ったエネルギー最小化構造の決定にもそのまま応用可能であると思われる。また、Tightユークリッドデザインを応用し、2次元のエネルギー最小化構造の候補を与えるプログラムが得られたので、今後はその理論的裏づけを行うことになる。初年度の研究の目標は数値実験としての構造決定であったので、研究は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
初年度はエネルギー最小化構造に関する情報収集を主に行ってきたので、今後はその応用を考えて行きたい。特に、Euclidean Distortionに適用された方法である抽象的グラフ構造を与えてから、そのユークリッド空間への埋め込みがエネルギー最小になるようなものを決定するという構造決定方法は、何も条件を与えず、これまでの単にUOC構造を直接計算するよりも数値実験の計算速度が飛躍的に改善されることが期待される。また半正定値計画法のエネルギー最小化問題への定式化を行い、数値実験で得られた構造の理論的裏づけを行いたい。特に2次元で得られた構造に対して、数学的に厳密に最小化構造を決定したい。また抽象的な構造としてのグラフそのものにもエネルギーの概念があり、広く研究されている。今後の研究としては、その概念とユークリッド空間に埋め込んだ構造のエネルギーとの関連についても調べて行きたい。また逆にグラフのエネルギー問題に対しても半正定値計画を立てることができないかも考えて行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は主に情報収集を行い、ソフトウェアの購入が遅れた為、当該計画よりも31428円の余剰金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額を用いて、コンピュータのソフトウェアを購入する。また、代数的組合せ論シンポジウム、ACCMS-VO国際会議、日韓ワークショップAlgebra and Comnibatoricsに参加するための旅費、計算処理ソフトの購入に使用する。国内・国際会議や学術論文誌での発表を行う必要があるので、そのために必要となる論文投稿費、論文添削費などに使用する。
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