研究課題/領域番号 |
26800092
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
山崎 和俊 関西大学, システム理工学部, 准教授 (50554937)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | レヴィー過程 / 数理ファイナンス / レゾルベント |
研究実績の概要 |
下向きジャンプを持つレヴィー過程(spectrally negative Levy process)の満期ランダム化の応用として、”An analytic recursive method for optimal multiple stopping: Canadization and phase-type fitting” (International Journal of Theoretical and Applied Financeに掲載予定)を執筆した。最適多数回停止問題において、停止後、次の停止までに一定期間(refraction time)をおかなくてはならない場合を考える。この場合の最適解の計算には定数時間後のレヴィー過程の分布が必要となるが、特別な場合を除いて分布は解析的な表現を持たない。そのため、本研究ではrefraction timeをアーラン分布で近似し(randomization)、さらにレヴィー過程を独立同分布のphase-typeジャンプを持つレヴィー過程で近似した。この場合、レゾルベントが(複素)指数関数の線形結合として表す事が出来る。そのため、レゾルベント測度で繰り返し積分する事により最適価値関数は閉じた形の解で近似ができ、またその媒介変数はアルゴリズムを用いて計算できる。数値実験を行い、このrandomizationとphase-type fittingによる手法が計算的コストが小さく、また近似誤差が微小であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
”An analytic recursive method for optimal multiple stopping: Canadization and phase-type fitting” を執筆し、International Journal of Theoretical and Applied Financeに掲載が決まった。レゾルベントを用いた満期ランダム化の有効性について数値的に示す事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は下向きジャンプを持つレヴィー過程以外の確率過程について研究する予定である。より一般的なレヴィー過程およびアフィン過程などについて、レゾルベントの解析的な表現を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が当初の予定よりも安かったため、使用額が当初予定したものよりも小さくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に得られた研究を海外で発表するために用いる。
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