われわれの太陽系が属する銀河である天の川銀河をはじめとして、約半数の銀河は渦巻構造や棒状構造をもつ渦巻銀河である。本研究では、詳細な星間化学反応を考慮した銀河シミュレーションコードを開発し、観測との比較を通して、銀河の動力学進化と星間ガスからの星形成過程の理解を目指した。その結果、申請者らが提唱する新たな渦状腕構造モデル (動的渦状腕モデル) の観測的検証法の提案や、約1億粒子の天の川銀河の超高分解能シミュレーションなどに成功し、渦状腕領域における分子雲の形成進化に関する新たな知見を得た。さらにシミュレーション結果は立体動画として一般向けに公開(4D2U)され、映像作品として優秀賞を受賞した。
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