研究課題
研究期間全体を通じて複数の超新星残骸の分光観測を行い主著論文としてまとめることができた。たとえば超新星残骸 N49 のすざくによる観測で、銀河系外からは初となる過電離プラズマを発見し、国際学会等で発表するとともに査読論文にまとめた。こうした観測研究と同時に、将来のX線精密分光観測を成功させるためにASTRO-H(ひとみ)衛星の開発に尽力した。ひとみは2016年2月に打ち上げに成功し、その初期運用メンバーとして機上較正などを行った。事故による衛星の喪失後は、較正の継続とともにそれまでに取得していたサイエンスデータの解析に携わった。ひとみ衛星は、事故により喪失するまでに超新星残骸を2天体(N132D, G21.5-0.9)観測しており、サイエンスデータの解析チームとしてこれらの解析に携るとともに、国内外の研究者を交えて海外などで複数回の会合を持った。特に G21.5-0.9 に関しては、カロリメータ SXS および硬X線撮像装置 HXI および開発メンバーだった軟X線撮像装置 SXI の全ての観測データによる全バンド解析を主導し、パルサー風星雲のスペクトル構造を初めて広い帯域で明らかにすることができた。本件については年度内に査読論文を投稿予定である。また、超新星残骸 Cygnus Loop の南西領域を XMM-Newton RGS で精密分光した結果についても論文にまとめる予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件)
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 69 ページ: 印刷中
10.1093/pasj/psx001
巻: 68 ページ: -
10.1093/pasj/psv025
Publications of the Astronomical Society of Japan, 68, 2016
10.1093/pasj/psv114