本研究では、原始惑星系円盤に観測される様々な構造が、円盤や惑星形成についてどのようなことを示唆するのかを、観測のモデリングや理論計算を通じて明らかにすることを目指した。まず、HD 142527周囲の原始惑星系円盤のアルマ望遠鏡観測に基づく、ガス・ダスト分布の詳細なモデル計算では、この円盤内にダストが強く濃集されている領域があることが分かった。次に、惑星が作るギャップ構造に関するモデルを、アルマ望遠鏡による HL Tau の高解像度観測にいち早く適用した。また、差動回転円盤における流体力学的不安定性の詳細な計算から、長年の問題であった、ロスビー波不安定性の中立安定条件の問題の一部を解決に導いた。
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