磁場は、恒星の形成母体である分子雲コアの安定性と収縮過程に重要な役割を果たすと考えられているが、観測の困難から観測的研究は立ち遅れている。我々は、IRSF/SIRPOLによる近赤外広視野偏光観測に基づき、コアの磁場構造の解明を進めている。 へびつかい座ρ分子雲を構成する6ヶ所の高密度コア領域では、コア群をゆるやかに繋ぎながら、雲全体に渡って歪んだ磁場構造が得られた。これは同領域で進んでいるクラスター形成過程の影響かもしれない。パイプ星雲領域とグロビュールでは、20天体中3天体に砂時計形状の磁場構造を発見した。この構造は、凍結磁場が重力により歪められながら収縮する標準的なモデルとよく一致する。
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