本研究の目的は、X線観測から白色矮星の質量と半径を測定することで、白色矮星の標準理論から予想される質量限界を検証することである。この質量限界は白色矮星によらず一定であると考えられているため、これを超えた白色矮星の爆発であるIa型超新星の絶対光度も一定とされ、遠方銀河の距離を測定するのに用いられている。 上記の目的を達成するため、私は白色矮星からのX線スペクトルをモデル化した。特に、白色矮星近傍の熱的プラズマからのX線に加え、これが白色矮星表面で反射された成分のモデル化にも、詳細な計算機実験によって成功した。このモデルを観測データに適用することで、目的達成できる見込みである。
|