液体シンチレータ(LS)を用いた反ニュートリノの観測は、低エネルギー領域に感度を持つ反面、その到来方向を観測することは原理的に不可能である。本研究では、これまで独自の方法で開発した到来方向観測用のリチウム含有LSを用い、到来方向の再構成のために発光位置を精度よく観測する新たな観測方法としてファイバーを張り巡らせることを考えた。薬品耐性のある素材の選定を行い、ファイバー化する加工方法を開発した。また、リチウム含有LS容器内にファイバーを張り巡らせる構造をデザインし、読み出し半導体素子を含めて試作機の製作に成功した。本研究で開発した試作機を用い、放射性線源を用いて発光を実際に観測する準備が整った。
|