本研究では、原子核乾板の優れた位置分解能を生かした数百MeVから数GeVニュートリノ反応の詳細解析のための大面積の解析手法の開発を行った。また、ECC(Emulsion Cloud Chamber)中での500MeVから2GeVの電子のエネルギー推定法を開発し、70%のエラーで測定可能な事を示した。エマルション多段シフターを搭載したECCをJ-PARCのニュートリノビームラインに設置し、ニュートリノ反応の検出と二次粒子の時間情報付加、下流のT2K前置検出器INGRIDへの接続に成功した。更に、角度精度を現行比2.7倍の厚型の原子核乾板を開発し、今後のニュートリノ実験への実装を考えている。
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