本研究は、T2K実験の感度向上に向け、ニュートリノ反応点周りのすべての荷電粒子を測定できるシンチレーションファイバー検出器の原理実証を目的としている。東北大学光理学研究センターでプロトタイプに陽電子ビームを照射し、検出器の実現の鍵となる、以下の3つの性能を確認した。(1) 最小電離粒子に対して高い検出効率と大きな光量を持ち、光量による粒子識別が可能。(2) ファイバー中のシンチレーション光の減衰長が2m以上あり、メートルサイズの検出器が実現可能。(3)隣り合うファイバー(2mm角型)の光量比を用いることで、垂直入射した最小電離粒子に対して、200μmという高い分解能で位置の再構成が可能。
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