本研究の目的は、ガドリニウム(Gd)の熱中性子捕獲反応から放出されるガンマ線の総数とそれぞれのエネルギーを実験により精度良く測定することである。また実験データとの比較により、同反応からのガンマ線放出について再現性の良い計算シミュレーションモデルを得ることを目的とする。申請者らはJ-PARC/MLFのANNRI中性子ビームラインを使用することで、天然Gdについて35億事象、濃縮Gd-155,157について計80億事象の大統計高精度のデータを取得した。また、この実験データを良く再現する計算モデルを新たに構築した。この研究結果は、Gdを使用する科学分野、医療分野等への応用が期待される。
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