研究課題/領域番号 |
26800144
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
村上 弘志 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (00415902)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | X線天文学 / 人工衛星 / 電子デバイス・機器 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、まず昨年度に引き続きCCD駆動装置の改修を進めた。従来はCCD素子の全面を同じ電極で駆動させるものだったため撮像後CCDフレーム全体を読み出す方式で進めていたが、蓄積領域と転送領域を分けて使用可能なものを入手できる目処がたったため、その駆動に向けた変更を行った。これまではシャッターやLEDの照射タイミングを制限することで撮像と読み出しの時間をを分けていたが、今後は連続的にデータを取ることが可能となる。CCD素子自体の入手は29年度4月にずれ込んだため28年度中は動作していない。また、入手したCCDに必要となるコネクタなど一部未入手のものもあり、その整備も29年度にずれ込んだ。 データ解析の面では、ひとみ衛星(ASTRO-H)が打ち上げられ、1ヶ月弱ではあるが新しいSXI検出器による観測が行われ、新たな知見が得られた。特に、微量の可視光による素子端でのダークレベルの増加やそれに伴うゲインの変動は、入手したCCDでも同様の問題が起きる可能性があるため今後の試験を行う際の参考とし調査を進めている。 CCD駆動以外の実験装置では、LEDを任意の時間間隔で光らせCCDに入射する装置を作成した。駆動クロックの試験のために使用するためいくつかのパターンを準備している段階である。光量を絞ることで前述の可視光によるゲインの変動についても調査を行い、性能評価の際に変動分を取り除けるようにできるよう、試験装置を改修する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CCDの仕様を変更したことにより駆動装置の整備が遅れた。一方で、仕様の変更により効率よく試験を進めることが可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
CCDは入手済みのため、まず通常の駆動方法で動作させ基本性能を確認する。その後新駆動方法での性能を評価する。両駆動方法での性能差と、メリット/デメリットをまとめ、新駆動方法の有効性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
CCD素子の納入が29年度にずれ込んでしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
CCD素子は4月初めに納入されており、使用済みである。
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