素粒子物理においては未だに解析が困難な非摂動領域と呼ばれるパラメータ領域が存在し、この解析の成功なくしては真の素粒子現象の理解は得られない。本研究では、新しく開発された解析法に基づいて、素粒子物理におけるいくつかの課題の解決を目指す。具体的には、格子Z3-QCD模型という理論を用いて原子核を構成する原因となる「閉じ込め現象」と物質に質量を与える原因となる「カイラル対称性の破れ」という2つの現象が強く結びついていることを示した。また、Adjoint QCDという理論を特殊な空間上で解析することで、Bion閉じ込めという近年提唱された閉じ込め機構が現実の世界でも実現する可能性を示した。
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