本研究では、星形成領域のX線やガンマ線観測から、宇宙線の加速/伝播についての観測的制限を目指した。「ひとみ」衛星の喪失により、X線や軟ガンマ線の観測データを用いた研究はできなかったが、Fermi衛星によるGeVガンマ線と、Planck衛星によって取得されたダストの光学的厚さをベースとする星間ガスの分布をと詳細に比較することで、カメレオン分子雲領域についてガスの柱密度を精密に測定しすることに成功した。そして原子ガスの柱密度が、場所によって従来の1.3-1.5倍程度に大きくなる可能性を明らかにした。その結果得られた宇宙線スペクトルは、太陽系近傍において概ね一様であることを示した。
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