本研究では強磁性強誘電体であるボラサイト化合物を対象として、方向二色性を調べた。この中で特にCo3B7O13Iでは磁化の磁場履歴に対応した光吸収変化を観測した。単結晶化に成功した他の物質についても、遷移金属イオンのd-d遷移に対応した光吸収において方向二色性が現れることがわかった。本研究で目的とした外場を用いた単分域化は達成されていないものの、イメージングの手法を用いることによって分域がそろった領域における方向二色性の評価を行うことができるようになった。今後は本研究で構築した測定系および得られた知見をもとに光学的電気磁気効果の研究を推進していく。
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